水に味があるのは
おいしさを感じる条件は、味だけではありません。「におい」もおいしさを左右する大きな要素です。また、天候や温度など、水を飲むときの条件も、おいしさの感じ方に影響を与えます。では、「おいしい水」とはどのような水なのでしょう?
本来水は無味無臭です。雨水は蒸留水に近く、ミネラル分などをほとんど含んでいません。きれいな水と呼ぶことはできますが、不純物を含まないきれいな水は飲んでも全くおいしくありません。
通常飲んでいる水は雨として降った後、いろんな地質層や岩石層の狭い隙間に浸み込んでいって、いろいろなミネラル成分(カルシウム、マグネシウムなど)を溶かし込んで流れていきます。水に味があるというのは、飲み水が純粋なH2O(エイチツーオー)ではなく、鉱物分などを溶かし込んでいるからなのです。
天然ミネラル水の中には、岩盤の鉱物、苔や藻などの微生物など実に500種以上の物質がほどよく溶け込んでいます。
さらに水には硬度があります。(硬度については軟らかい水と硬い水のページをご覧ください)
水には軟水と硬水があり、水に含まれているミネラル成分(カルシウム、ナトリウム、カリウムなど)によって分けられます。この硬度は水の味を決める大きな要素の一つです。
「おいしい水」とはどのような水でしょうか。
味は個人の嗜好もあり、いちがいに言うには難しい部分がありますが、厚生省の「おいしい水研究会」の調査結果によると以下の通りになっています。
• 蒸発残留物(ミネラル):30〜200mg/l
• 硬度:10〜100mg/l
• 遊離炭酸:3〜30mg/l
• 過マンガン酸カリウム消費量:3mg以下
• 臭気度:3以下
• 残留塩素:0.4mg/l以下
• 水温:最高20度以下
含有成分の他に水のおいしさを決める要素として水温があげられます。
ぬるい水も冷たすぎる水もおいしくないように、やはり適温というものがあります。
一般に飲み物がおいしく飲める適温は、体温マイナス25度だと言われているそうです。
だいたい10〜15度の範囲として考えておけばいいのではないでしょうか。